パチンコのキャッシュレス化?現金商売がパチンコ店の強みなのに本当にやりたいの?
最初に
パチンコ店では昔から現金での遊技が基本です。以前はパニーカード、通称パッキーというものがありましたがあればテレフォンカードのように店舗でカードを購入してそれを使って遊技するのですがもしも3,000円のカードを購入して500円で当たったので残りを精算したくても店舗では残高を精算することはできず郵送してから精算という全く精算させる気のないものでした。しかしその場合でもカードを購入する現金は店舗に残るので現金商売と言えるべきものでしたが、本当にキャッシュレスを推進するのならパチンコ店に旨味があるのかが不思議です・これについて検証していきます。
キャッシュレスのメリット
メリットに関しては店側の視点、客側の視点にそれぞれにあります。例えば財布の中にあまりお金がなくても遊技をすることができてしまいます。遊技していて財布にの残り3,000円しかなくても天井が近い、そろそろ当たりそうだからやめたくないと思った場合、ATMに行かなくてもお金を使うことができるようになります。当然ながら予定金額を大幅にオーバーして使ってしまい後で後悔するほどの大負けにつながる可能性が現金遊技よりも高くなると思っています。しかし店側からすると予定以上にお金を使ってくれる可能性は高くなるのでメリットは高くなります。財布にお金がなくても遊技ができることが客側のメリット、お金を下ろしていなくても来店してくれる可能性、予定よりも大きな金額を使ってくれる可能性が店側のメリットになります。
キャッシュレスのデメリット
客側のデメリットとしては、予定よりお金を使いすぎて大負けする可能性が高いこと、もしもキャッシング枠からの遊技が可能ということであれば以前の4号機時代のように大借金を作ってしまう可能が高くなります。店側のデメリットとしてはキャッシュレス決済の手数料と現金ではないので入金までのタイムラグ分だけキャッシュフローが悪くなるところでしょう。毎日入金ならいいですが1ヶ月単位での入金ならかなり経営が苦しくなる店舗もあるはずです。
経営者は本当にキャッシュレス化を望んでいるのか?
世の中にはPayPayや楽天Payなどのキャッシュレス決済があふれてきています。特に飲食店での普及が加速しています。しかし個人の飲食の場合はキャッシュレス化の流れは好ましいものなのではないようです。
理由としては手数料がかかるということです。
例えばPayPayの場合、一回あたりの決済手数料は1.6%~1.98%かかるということですがこの手数料はお客ではなく店が負担することになります。
またPayPayの決済店になるためには月額1980円の基本料がいるということで店によっては負担に感じるところもあるでしょう。
1回の食事で1000円使ってくれたお客がいたとしてそのうち16円がPayPayの運営会社に手数料として徴収されます
楽天Payの場合は月額基本料はかからないということですが、決済手数料はPayPayに比べて高く3.24%です。
●そして売上げが第三者にデータとして残るので脱税をしにくくなること
●売上から手数料が引かれるので利益が大きく減ります。
たった2%ぐらいで何を言ってるの?という人がいれば経営を何も知らない人です。
売上のうち食材・ドリンク原価、人件費、賃料、光熱費などを引いていくと
ジャンルにもよるでしょうが飲食店で1000万円の売上があっても最終的に残る利益は50万円から80万円と言われています。純利益率は5%~8%です。そしてすべての売上がキャッシュレス決済ではないにしても1/3がキャッシュレス決済去った場合、330万円の1.6%だと48,000円、3.24%の場合だと10,7000円も利益が減ってしまいます。キャッシュレス決済の手数料が客負担でなければキャッシュレス決済を望まない経営者がいてもおかしくないことが分かったでしょうか?
さてここまで飲食店をたとえに出してきましたが、パチンコ店の場合はどうなのか?
少し前に
パチンコ店の1日の売上について記事にしてみましたが、信じられない金額なので信じてもらえないかも…
という記事を書きましたが
売上が1000万円あっても粗利益率が20%なら店に残るお金は200万円です。これが他業種の売上にあたるのですが当然ながらキャッシュレス決済が主流になってくるとお客が使ったお金1000万円に手数料がかかってくることになります。1000万円の2%は20万円ですが粗利益額から考えると10%の手数料となります。
パチンコという特殊な形態だと2%の手数料であっても致命的に経営を圧迫することになります。従来のキャッシュレスの手数料であればパチンコ店がキャッシュレスを導入するメリットは皆無だと思われます。
※補足ですがPaypayは決済手数料を客側に負担させること、現金とPaypay払いで金額を変えることを禁止しています。
PayPay加盟店規約
https://paypay.ne.jp/help-merchant/b0603/
キャッシュレス対応の設備
そんな中でキャッシュレスを見越した新設備がメーカーより発表されました。
認証協、パチンコ店の新紙幣対応およびキャッシュレス時代に向け「iクリア ビルバリレスシステム」お披露目
引用元 グリーンベルト
これは私の勘違いでなければ貸玉サンドに紙幣挿入部分をなくして、代わりに精算機のような機械でカードに入金して遊技をする仕組みのようです。
つまり今後、新紙幣発行となったとしても、この設備を導入しておけば券売機でカードに現金をチャージしてそのカードを使って遊技できるものですが、将来的には現金ではなくクレジットカードやバーコード決済を利用してチャージできるようにするキャッシュレス決済を視野に入れているのだと思います。
あくまでも将来的にはということですが、キャッシュレス化を視野に入れた設備には間違いありません。しかし問題は決済方法です。クレジットカードを使用すればクレジットカード会社への手数料が発生しますし、Paypayや楽天Payでもその運営会社への手数料が発生します。
ん?しかしパチンコ店専用のキャッシュレスサービスであれば業種に応じた手数料設定が可能になるはずです。ということはパチンコ店専用の共通キャッシュレスサービスの立ち上げと許可を得るために有力団体、有力者の理事長就任、天下り団体の設立…
もしかするとここまでの筋書きができているのかもしれません。
パチンコ店のキャッシュレス決済の危険性
もしもですが、自分の口座にある現金ではなくキャッシング枠からのチャージが可能だった場合には間違いなく4号機時代のギャンブル依存症の増加、パチンコで大借金を抱えて生活破綻といった悲劇を繰り返すことになるでしょう。
もしもキャッシュレス決済の為のチャージが許可されたとしても月額のチャージ金額の上限設定は設けるべきですし、キャッシング枠は不許可で口座からのみのチャージを限定するべきです。過去に貸金業の総量規制でパチンコ業界の売上が下がるだろうと予測されていましたが。そのこと自体がかなりの人達が消費者金融を利用して自転車操業のようにパチンコをしてたという証明です。絶対にキャッシング枠からのチャージを許すべきではありません。
まとめ
パチンコ店でのキャッシュレス決済には疑問を持っていましたが、手数料が現行のキャッシュレスサービスと一線を画すのならメリットは計り知れません。
スマホのガチャ課金もそうですが、目の前にある現金ではなくクレジットカードからの課金という実感しにくい出費が大きな売り上げている点を否定できません。しかしパチンコでそういった支払いが可能になり定着してしまった場合には….
本当にパチンコは日本に不要なものだとあらためて実感するようになるでしょう。