最初に
パチンコでヘソに玉が入りやすい要素として当然ながら釘調整というものがあります。しかし釘調整は修理などの目的で変更承認をだしてからでない完全に違法となります。また釘チェックシートと同じに戻すことが許されているだけで利益調整の為の釘調整は許されていません。もうひとつのヘソ入賞の調整手段が、傾斜の調整となります。
この傾斜を自動で調整できる特許が取得されているとネットで話題になりました。
パチンコ遊技機の傾斜度自動調節システム
https://patents.google.com/patent/JP2017153951A/ja
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201703015610484668
ポイントはパチンコ台枠傾斜度自動調整システムの自動調整というところです。
なぜこの特許がそこまで騒がれたのか?
パチンコで昔からよくいわれているのが、
良く回っていたのに急に回らなくなった遠隔だ!
1000円で20回近く回っていたのに急に1000円で10回転ぐらいとかまで回らなくなった。なんか遠隔みたいなのやられた?
実際にパチンコは実物の玉を打ち出して何百という釘に当たりながらスタートへの入賞を目指します。その為、常に玉の軌道は安定しない為、スタートの上下幅というものが存在していてそれをスランプとパチンコ業界では言っています。腕の良い釘師はスランプの少ない釘を叩けるといいますし、スランプは決して悪いものではなく上下があることでイライラさせたり興奮させたりとスパイスになるともいわれています。
スランプが起こる明確な原因がはっきりしない為、余計に疑惑を招いています。
問題となる某漫画でのワンシーン
これは羽根モノ、一発台での極端な話なんですが非常にパチンコユーザーには分かりやすい説明で実際のパチンコ店でもこういったものがあるんじゃないかという疑惑を大きくしました。特にこの漫画の人気は大きいのでパチンコユーザーへの影響もあったと思われます。
台の傾斜に関しての基本
パチンコ台は木枠を島に釘で打ち込んで固定をしますが、作業としてはパチンコ台を木枠から外してその木枠をパチンコの島に取り付ける際に水平器を使って傾斜を決めます。傾斜は寝かし気味にすることでセル側に球が当たる頻度が多くなり玉の落ちる速度は遅くなります。逆に台を起こし気味にすることでガラス側を通りやすくなることでセル版にあたる頻度が少なくなり玉の落ちる速度は速くなります。
簡単に言うと一般的なパチンコ台ならネカセの方が単純にヘソへの入賞率が上がり、オコシはヘソへの終章率が下がる調整になります。
しかし羽根物や一発台では役物によってこれが逆転してしまう台もあります。
そして問題は台枠を釘で打ち込んで固定をするので設置した時以降は
簡単に傾斜は変えられないというところにあります。
台の取り付けでは「どんぴしゃパーフェクト」という製品がありますが、これは台本体と枠を分離せずそのまま設置可能で誰でも簡単・効率的に、台の取付ができるという製品があります。これは台の取り付けを簡単にできるという画期的な製品です。
この商品にしても台の傾斜の変更が比較的簡単にできるというものではありますが、自動ではありませんし営業時間中には不可能です。
まとめ
今回発見されたパチンコ遊技機の傾斜度自動調節システムは某漫画のワンシーンが再現できるのではないか?もしくはそういったものがあるからパチンコを打っていて急に回らないという現象が起きているのではないか?という疑惑への回答の一つになりました。
ただ個人的な感想そしてはこの特許は
●取得だけしたけども一般的に出回るほど実用化されてない。
●自動台傾斜を使用するとしても、閉店後の台調整の一つとして行うもの
そういったものじゃないかと思います。遊技中に台の傾斜が変わるということはハンドルを握っていることもあり台が起きたり寝たりと動くと違和感を抱くのではないかと思います。またそこまで出玉率が変わるものでもないので目立つ割にリスクではないでしょうか?
仮に空台になってからだとしてもモーターなどの動力で動くはずなので、駆動音や振動など近くで遊技をしている人に気づかれる危険性があります。そう考えると釘調整と同じように閉店後や開店前などに行われるものだと思います。
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